欧州最大の自動車展示会「ドイツ国際自動車ショー」が8日、ミュンヘンで始まった。欧州で電気自動車(EV)需要が持ち直すなか、中国メーカーは新型EVの投入を相次いで発表。欧州連合(EU)は中国製EVへの関税措置を導入したが、その攻勢は衰えていない。危機感を強める欧州勢は独フォルクスワーゲン(VW)が価格を抑えた新型EVを投入するなど対抗する。
「欧州で欧州のために」。中国大手の長安汽車集団は8日、傘下にあるブランドの新型SUV(スポーツ用多目的車)のEVを披露した記者会見で、そんなメッセージで欧州事業の拡大を誓った。
新型車はイタリアのデザインセンターで欧州の顧客ニーズに合わせたデザインに仕上げたという。2030年までに欧州事業に20億ユーロ(約3470億円)を投じ、1千店以上の販売・サービス拠点を展開する。
米中間の貿易摩擦が続く中、中国勢が世界展開で欧州に軸足を置く姿勢が鮮明だ。中国EV最大手BYDも会見で、今年末に欧州で販売店を1千以上出店し、来年末までに2千店と倍増させる方針を打ち出した。
VW、約430万円の小型EVを投入へ
EUは昨年7月、中国からの…